投げる・打つと肩が痛い — 原因が肩そのものにないことがあります
「投げ終わったあとに肩の奥がうずく」「スパイクを打った翌日まで肩に重さが残る」。投げる・打つ動作のある競技では、肩を休ませて痛みが引いても、練習を再開すると戻ってくることがあります。
腕を振る力を作れない分を、肩の関節が肩代わりすることがあります
投げる・打つ動作の力は腕だけでは作れません。足からの力が届く途中で目減りすると、その分を肩の関節で補おうとすることがあります。
- 背中の中ほど(胸椎) 反りとひねりが出ないと、腕を振る角度を肩の関節(腕の付け根)で補いやすくなる
- 肩甲骨 肋骨の上で動きにくいと、腕を上げる動きの分担が肩の関節に偏りやすくなる
- 股関節 踏み込む脚(投げる・打つときに前へ出す側)が回りにくいと、体を回す力が上半身へ伝わりにくくなる
足が受けた力は、股関節・体幹・肩甲骨・腕へと順に受け渡されます。このつながりを運動連鎖と呼び、どこかの関節が動かない分を肩の関節が肩代わりしやすくなると考えられています。こうした負担の偏りについては、スポーツ障害・コンディショニングでもふれています。
こんなときは、まず整形外科で診てもらってください
肩の痛みの原因には、診察や画像で確かめる必要があるものもあります。次に当てはまるときは、この先のセルフチェックやセルフケアを行わず、すぐに受診してください。
- 投げた(打った)瞬間に鋭い痛みが走った
- 腕が上がらない
- 腕や手に力が入りにくい
- 腕から手にかけてのしびれや感覚の鈍さがある
- 肩の一点を押すと鋭く痛む
- 安静にしていても痛む
- 夜間に痛みで目が覚める
- さわると熱を持っている
- 体の発熱をともなう肩の腫れがある
成長期は上腕の骨に骨が伸びる部分(骨端線)があり、投げる動作で傷めることがあります。未成年の方は、肩の痛みを保護者に伝えてください。年代にかかわらず、次の場合も一度整形外科でご相談ください。
- 投げたあとの痛みが数日残る
- 痛みが出るまでの球数や本数が減っている
肩以外の動きを、自分で確かめておきたいこと
上の「すぐに受診」の項目に当てはまらない方が行うものです。痛みが出たら、その場で中止してください。
- 腕が頭の上まで上がるか: 壁に後頭部・背中・お尻をつけ、手の甲を壁につけたまま両腕を横から頭上へ上げます。手の甲が壁から離れる側があれば、背中と肩甲骨の動きに左右差がある可能性があります
- 踏み込む脚の股関節が回るか: 椅子に腰かけ、片脚のすねを内側・外側へ倒します。左右とも行い、踏み込む脚が倒しにくければ、体を回す力が上半身へ伝わりにくい可能性があります
股関節に左右差があったときは、肩だけでなく股関節の動きも含めてご相談ください。肩甲骨まわりの動きという見方は、肩こり・首こりでお悩みの方へでもご説明しています。
肩の負担を減らすことを目的に、自分でできること
上の「すぐに受診」の項目に当てはまらない方が、日常で肩が痛まない段階で行ってください。医療機関にかかっている方は、その指示を優先してください。痛みが出たら、その場で中止してください。
投げる・打つ動作に戻すときは、球数や本数を前回痛みが出なかったところから少しずつ増やします。翌日に痛みが残ったときは、前の本数に戻してください。
胸椎回旋ストレッチ(横向きで胸を上へ)
背中の中ほどが回らないと肩甲骨も動きにくくなり、振る角度を肩の関節で補いやすくなります。
横向きで、投げる(打つ)側を上にする向きから始め、脚は重ねて折り、両腕は体の前でそろえます。脚を止めたまま上側の腕を大きく開き、胸が上を向く位置で5〜10秒止めます。左右10回ずつを2セット行います。
腰が反るときは反らない範囲にとどめ、肩に痛みが出たら中止してください。
バードドッグ(片手と反対側の脚で支える)
体を支える形が保てないと、股関節で作った回す力が腕まで伝わりにくくなることがあります。
床に手とひざをつき、頭からお尻までの高さをそろえます。投げる(打つ)側の腕と反対側の脚から始め、同時に伸ばして骨盤が傾かない高さで3〜5秒止め、ゆっくり戻します。左右5〜8回ずつを2セット行います。
腕が耳より高く上がると腰が反りやすくなりますので、手前で止め、肩に痛みが出たら中止してください。
一宮市で、投げる・打つときの肩の痛みのご相談を
理学療法士で元Jリーグトレーナー(FC岐阜)の院長が、全身の動きを確認したうえで施術を行います。
平日は18時から、土日祝は10時から、いずれも夜23時まで対応しています(水曜日は休診、完全予約制です)。